P2では暇を持て余したロイが椅子のキャスターでフロアを行ったり来たりしていた。



もちろん意味などない。



壁を蹴り思いっきり滑る。



─シャァーーー…



『ん~記録更新ならず!』



そして再び壁を蹴った時、入口が勢い良く開き右京が姿を現した。



─シャァーーー…



物凄いスピードで横切るロイに右京は固まったまま動けなかった。



『…………ロイ…』



『ちょっと待て!…今大事なとこだ!』



彼の座った椅子はキャスターをカラカラと鳴らしながら止まる。



『見たか!?』



『…はぁ?何を?』



『だからっ!今記録を塗り替えたんだよ!新記録だ!』



『し ら ね ぇ よ !!』



キレる右京にロイはわざとらしく首を竦めた。



右京は彼の座った椅子を引っ張り、PCが3台並ぶ所定の位置まで戻すとデスクをバンッ!と叩いた。



『頼みがある。日本に設置されてる監視カメラは動かせるか?』



そう聞く彼を嘲るようにロイは鼻で笑った。