『私は…貴殿が好きでした。…強く真っ直ぐで…そして自由な貴殿が。出来る事ならもう少し……』



クドラクは何かを言いかけて諦めたように顔を背けて立ち上がる。



『神は降臨しました。いずれあの方も機会を見て動くでしょう。…その時…貴殿方“人間”はどうしますか?』



彼は右京にそう言うと徐々にその気配を消していく。



『おい、待てっ!』



『もし…貴殿に止める術があるのなら…力を貸しても良かったんですけどね…』



『クドラク!!』



彼は右京の言葉に応える事はなかった。



─“神は降臨しました…”



彼はそう言った。



右京はクドラクの消えた空間を睨み小さく舌打ちをした。



─“貴殿方人間はどうしますか?”



彼は右京をベルセルクとは言わずに“人間”と称した。



『…やるしかねぇだろ…』



右京は立ち上がると手早く着替え、真っ暗な闇の中へ出掛けて行った。