休憩時間に喫煙所へ行くと田所と目が合った。



昨日の事を思い出し、すぐに視線を反らすと離れて座った。



「…黒崎様と仲良く話してたって?」



「…たまたま二日酔いで死んでた時に声掛けられただけよ…」



会話が続かず気まずい…。



チラッと彼を見ると眠そうに欠伸をしていた。



「…ねぇ…」



「んあ?」



「…昨日のあれさ…」



「…あれ?…あれって?」



自分同様、二日酔いらしい田所はこめかみを押さえながらしのぶを見た。



その表情はいつもと変わらず、なんだか拍子抜けしてしまう。



「…よく覚えてないんだよ…カウンターで飲んでた辺りから記憶があやふやで…」



「…覚えて…ない?」



…人がこんなにあの言葉で悩んでるっていうのに!



些か頭に来てしのぶは彼の前で仁王立ちをした。