確かに少し前まで酷かった悪阻らしきものも落ち着いたように思える。



だが、他人からはパッと見判らないかもしれないが、お腹が徐々に膨らみ出してきているのだ。



ジッと見つめて来る右京に忍が怪訝そうに「なに…?」と首を傾げた。



「…忍さぁ…こんな細い身体で本当に産めるの?」



「あら、無理って言ったら代わってくれるの?」



「…いや、代われないけどさ…」



右京は忍のお腹に手を当て、「ママを労ってやれよ~」と声を掛ける。



忍はそんな彼に「こんな所で恥ずかしいから!」と顔を真っ赤にしていた。



右京は俯く忍の顎を持ち上げ、チュッとキスをして微笑む。



「こっちならいい?」



なんて言いながら…。