皆が騒ぐのも無理ないと思った。



「買ってきたよ」と彼女が戻って来るとボトルを受け取ってしのぶの前に突き出した。



「あ…ありがとうございます…」



「薬あったら飲んだ方がいい。…仕事休めないんだろ?」



「えぇ…」



心配そうに彼の隣にしゃがみ込んだ彼女にしのぶは「もう大丈夫ですから…」と笑った。



「…良かった…」



「忍。そろそろ行くぞ。」



「うん…じゃあ、お大事にね?」



…私と同じ名前なんだ…。



彼等にお辞儀をしてボトルを手にフロントに戻ると同僚にグイッと引っ張られる。



「ちょっと!黒崎様と何話してたの!?」



「黒崎様?」



「あの銀髪のイケメンよ!」



…外国人じゃないんだ…



ハーフだろうかと考えながらしのぶは仕事に戻って行った。