想像していたより人間界での生活は退屈しなかった。



主から“ベルセルクの子供を擁護せよ”と指示を受けた時、正直乗り気では無かった。



第一に、彼は下等な人間がそこかしこに居る世界に嫌悪感を持っていたからだ。



そして第二に、産まれてもいない子供がベルセルクの力を受け継ぐという保証は無かったから。



主の「きっとお前は気に入ると思うよ」という言葉通り、ルークはケイに魅了された。



それは力の大きさ云々より、存在…いや魂そのものに惹かれたといえる。



とにかく、ルークは一日一日とすくすく育っていくケイの成長が産まれる前から楽しみで仕方なかった。



こんな気持ちは初めてで、彼はそれが“愛情”であると気付いたのはずっと後だった。