「止めなさいよ、猫なんて!」



頭の上から聞こえた静の声に二人は同時に振り返る。



その時だった。



「ふぎゃぁぁぁぁー…!!」


突然泣き出したケイに「えっ…」と視線を戻す。



「…まさかっ!?」



「引っ掻いた!?」



ジタバタと四肢を動かして泣きわめくケイにルークは耳を寄せながら顔を近付けると、甘えたように体をすり寄せた。



「…あ、あれ?」



その様子はケイをあやしている様にも見える。



更に驚いたのは、ルークのおかげでケイが泣き止んだ事だ。



暫し呆然とその様子を見ていた三人はドタドタと廊下を走る足音にハッとする。



─スパァァーーーンッ!!



「どうしたんじゃ、京五郎ぉぉ~!!!」



勢い良く襖が開いたかと思えば、大声で叫ぶ祖父に忍と右京は同時に「はぁ…」と項垂れた。