「いつだったかしら…あの子が“右京のお嫁さんになる”って言った時のあなた顔ったら…!」



「ハハハ…小学校の時だな。」



「そうそう!4年生くらいよ。…あの頃から何も変わってないわね…あの子達。」



二人が付き合っている事も自然な流れな気がした。



そして結婚し、今日子供が産まれた。



口にはしなかったが何処かで望んでいたのかもしれない。



知らず知らずのうちに涙が溢れ落ちる。



「…寝る…。」



それを隠すように京助は立ち上がった。



「…アイツに任せておけば忍は大丈夫だろ…」



「ええ。大丈夫よ。」



静は夫の背中を抱くように居間を後にすると静かに部屋の灯りを消した。



今日はやけに冷える…。



ふと廊下の窓から外を覗くとフワフワと白い雪が降りだしていた。