「親父~!産まれたよ!俺…俺、こんなに感動したの初めてだよ…」



グスンと鼻を啜る右京は興奮気味だった。



…忍はどんな様子なのだろうか…。



「…でさぁ~!初産って産まれるまでに時間かかるらしいんだけど、意外と早くてさ~!」



「…忍はどう─」



「看護婦が“3センチだから”って忍が分娩室行くって言って、俺立ち会いしたんだぜ?」



「そうか…で、忍は─」



「したらさ~!すげぇ出血じゃん?俺ビビっちゃってさ~!」



人の話を聞かない右京に京助も遂に「おいっ!」と声を荒げた。



「お前の話はどうでもいい!!忍は大丈夫なのか!?」



「ああ、忍は…あっ電池切れそう。また掛ける!」



一方的に切れた電話に京助は「バカ息子がぁ!」と受話器を叩きつけた。