「じゃあ、あれは何だって言うんだ?まさか奇形児…」



そこまで言って右京はある疑惑が浮かぶ。



「もしかして…」



「もしかしたら…“翼”なんじゃない?」



「まずい…それはまずいって!」



もはや子供が銀髪であるより一大事だ。



「天使ってどうやって産まれるの?」



「人間と変わらないよ。」



「じゃあ…翼は生えて産まれて来る?」



「いや俺、産んだことねぇし…。でも最初は生えてないはず。」



天使は成長の過程で翼を得る。



最初の一対…地位が上がれば主の神から更に一対が与えられる。



そして最高位の熾天使は三対で、合計6枚の翼になるのだ。



だが、身重の天使は人間のように定期検診など受けない。



お腹の中の赤ん坊の状態など、元天使でも全く未知の領域だった。