『…というわけで、今日から居候する事にした。』



『はしょるな。どんなわけだよ…。まぁ、構わないけどさ…』



ニックは徹夜明けでボサボサの頭を掻きながら大きな欠伸をすると、PCに向き直った。



右京は以前まで生活していた彼の仕事場であるアパートで我が家のようにくつろぐ。



忍が日本に帰ってしまうと、広い部屋に一人でいるよりこっちの方が落ち着くのだ。



そんな彼の前にバジリスクは微笑みながらアールグレイを置いた。



『寂しがり屋ですからね、マスターは。』



『寂しいわけじゃない!…落ち着かないんだよ…』



『そうなんですか?』



『そうさ!…まさかルークまで連れてくなんて…いやいや、寂しいわけじゃないからっ!』



『はぁ…そうですか…』



背後でそんなどうでもいい会話をする二人にニックは『あーもう!!』と振り返った。



『寂しいから落ち着かないんだろ!?どうでもいいから静かにしてくれ。〆切間近で忙しいんだ!』


右京とバジリスクは顔を見合わせ肩を竦めた。