『あ。そうだ、仕入れ伝票を整理しないと。』



完全に逃げの体勢に入ったクリスは既に扉に手を掛けている。



右京が言葉を発する前に『じゃあ!』と未だ嘗て見たこともない微笑みを浮かべ出ていった。



唖然とする右京の肩をアランはポンッと叩き、インカムを差し出した。



『この季節ならあと30分もすれば辺りは暗くなる。』



『…あ~も~!わーったよ!行きますよっ!』



右京はアランから乱暴にインカムを受け取る。



『目的は?』



『彼女が隠している真実…かな?』



つまり、アランはイザベラが何かを隠してると確信したと言うことだ。



確かにあの時感じた気は術が発動したものだった。



…ただのギミックか、それとも…



右京はいつものコートを羽織りP2を後にした。