それでもたまに会っては情事を繰り返す。



自分も彼もその関係を終わりにしようとは言わないから、もう2年もこんな調子だ。



しのぶには恋人らしい恋人も居なかったから問題無かった。



田所に関しては本人から聞いた事がないので判らないが、しのぶは漠然と「自分と同じで恋人は居ないだろう」と考えていた。



…いや、そう考えないと関係が続けられないから、彼に恋人が居たとしても認めないのかもしれない。



…私は彼にある意味“依存”してるな…。



しのぶはタバコを揉み消すと、やっと立ち上がる。



「とりあえず、仕事でもするかぁ~!」



思考を無理矢理切り替えるように大きな独り言を溢すと、休憩室を後にしたのだった。