ルークを抱えてリビングに入ると、間接照明に手を伸ばす。



テーブルの上には可愛らしい字で“よかったら食べてね”と書かれたメモと、マフィンが置いてあった。



どうやら暇を持て余した昼間に作ったらしい。



「旨そう…」



彼はそれをパクリとかじりながら冷蔵庫からビールを取り出してグビグビと煽る。



とりあえず愛妻の顔が見たくて、ビールを置いて寝室の扉を押し開けた。



すやすやと眠る忍に自然と頬が緩んだ。



右京は彼女の額にキスを落とすと静かにリビングへと戻る。



テーブルの上では茶封筒のファイルをジッと眺めるルークが居た。



「なんだ、お前も気になるのか?」



ルークは尻尾を左右にユサユサと振って答えた。