イザベラはその日の夜、ロバートを廃校したあの場所に連れ出した。



『貴方に見せたいものがあるの。』



ロバートは酷く疲れた様子だったが、弱々しく微笑んだ。



車椅子に乗せた彼を連れ出し、マジックを披露する。



彼はそれを楽しんでいた。



これから起こるという悲劇的な結末を知らずに。



『最後はイリュージョンをお見せしましょう!』



『ほぅ…楽しみだ。』



『さぁ、ロバート!こっちよ。』



彼女は車椅子を押して部屋の真ん中に来ると、ロバートの前に立つ。



外は雷が鳴り出し、見事なまでにショーを演出していた。



『1…2…』



イザベラを凝視するロバート…



『…3!!』



その瞬間、ロバートの瞳は大きく見開かれた。



そして…彼は消えた…。