カチカチとキーボードを打つ音が響く。



ニックは暫く頬杖を着いてロイを眺めると特大の溜め息を溢した。



『…退屈なのか?』



『退屈って言うか…俺、出番少なくねぇ?』



『そりゃ仕方ぇよ!俺達はただの人間なんだし…彼奴らとは次元が違う。』



ロイの言う“彼奴ら”が右京とクリスの事だと直ぐに理解した。



『まぁ…そうなんだけどさ…なんつーか、俺にも何か出来んじゃないのかって思う訳。』



『…つまり、退屈なんじゃねぇか…。』



結局そこに行き着き、ロイの茶化すような薄ら笑いに、ニックは『うるさいぞ!』と顔を赤くして噛み付いた。



丁度そのタイミングで入って来たダンは二人の様子に目を丸くした。



『…なんだ、喧嘩か?なんなら連行するぞ?』



『そりゃいい!留置所なら相手をしてくれる輩がいっぱい居るんじゃね?』



ロイの冗談にニックはフンッと鼻を鳴らして顔を背けた。