二人は同時にこちらを振り向き、顔を見合わせて笑った。



「はいはい、わかりましたよ~止めればいいんだろ?」



そう言って右京は忍を引き起こすと、ルークを抱き上げた。



迷惑そうに耳を寄せ、尻尾を振るルークを肩に担いで忍と談笑する右京。



そんな彼を見てルークは思う。



…本当ニ コノ男、“ベルセルク”ナノカ?



この世界で色々な人間達を見てきたが、それらと大差無いように見えた。



以前“あの方”にそれを言ったら笑ってこう言った。



『お前はまだ目の当たりにしていないだろ?彼は魔力が強い分、それを隠すのが上手い。器用な奴なんだよ。』



…“器用”ネェ…



テーブルに下ろされたルークは買い物袋から取り出した卵を落として慌てる彼を見て、やっぱり“解セナイ”と思うのだった。