西から射し込んでくるオレンジ色の和かな光に長い髭をヒクヒクと動かす。



─パタンッ…!



ドアの閉まる音に続いて楽しそうな話し声が聞こえ、ルークは顔を上げた。



「フフフ…あっ…こら、右京!荷物が落ちるからジャレつかないで!」



「なんで?いいじゃん、誰も見てないって。」



大量の買い物袋を片手に愛妻を抱き寄せる右京にルークは冷たい眼差しを送る。



…我ガ居イルトイウノニ…



節操がないと内心溜め息つくとルークはプイッと視線を反らし、またフローリングに顎を付けて目を閉じた。



イチャつく夫婦のこんな光景にも慣れ、今では呆れて気にも止めず無視する事が多い。



荷物をダイニングテーブルに置くと、忍の大きなお腹を気にしながら右京は彼女の至る所にキスをする。



そうなると彼等は長い…。



ソファに彼女を押し倒したところで些かルークは我慢も限界になった。



首に付けた鈴をわざと鳴らして立ち上がると、ニャーと鳴いてソファの背もたれに飛び乗った。