夢は自分の潜在意識を表わすとも言う。



そう考えるとあれが何か意味を成すのではないかと思えてならない。



…忠誠を誓う猫と…



…私じゃない誰か…。



今思い返せばあの猫は確かにルークだった。



…じゃあ、私は…誰だったのかしら…?



“僕”と呼んでいたのだから自分ではない。



右京も潤も“僕”だなんて言わない。



気になり出すとその事が頭から離れず、寝る前にいつも読んでいる小説も全くページが進まない。



「…右京…早く帰って来ないかな…」



せめて話くらい聞いて欲しかった。



そのうちウトウトとしてしまい、ベットが微かに軋む気配で目が覚めた。



「…右京?」



「ごめん…起こした?」



「ん…遅かったね…」



「サマセットまで行ってたから…ごめんな、連絡出来なくて。」



そう囁いて右京は忍の額に優しいキスを落とした。