指先にザラッとした感触がして忍は目を覚ました。



─ニャー…



くりくりの大きくな瞳に見つめられ、それがルークの舌だった事にやっと気付く。



「…ルーク…?」



ゴロゴロと喉を鳴らすルークは忍にスリ寄り、甘えた声で鳴いた。



…夢か…。



忍は身体を起こしてルークを抱き上げ、顔を覗き込んだ。



「…喋れる…訳ないか…。」



グリグリとルークの頭を撫でると忍は壁の時計に視線を移す。



「お腹空いたね~…ご飯にしようか。」



右京からはまだ連絡は無かったが、このところ忙しいらしく帰りも遅い。


ルークと一緒に夕食を取りながら忍はぼんやり先程の夢を思い出していた。