忍の隣で彼等のバラードを聞いていた時、潤は曲の途中で一瞬照明が落ちた様に感じた。



だが、誰一人として気にする様子もなく、ステージは続行される。



演出なのかとも思ったが、それにしては不自然過ぎた。



…そういえば右京様は…?



先程の微かな気配を追ったきり戻って来ない右京に一抹の不安がよぎる。



ステージ上のテリーは歓声に応えて手を振り、最後の曲紹介をしていた。



ドラムの音と共にイントロが流れると忍が「ウソ…!?新曲!?」と呟いた。



それと同時に頭上からキラキラと照明の光が射す。



潤はそれを見上げ…重大な事に気付く。



…クリスタルの…シャンデリア…!?



「まさか…あれなのか…?」



それはあまりにも堂々とそこにあったのだ。