恋率方程式





ちょうど目当ての青年の部屋だった。

意外にもあっさりとここにたどり着いた。
御曹子というからには、もう少し厳重な警備がしてあると予想したが、的外れだった。

部屋は大分広い。
だがベッドと本棚、そしてタンスがあるだけで以外とさっぱりしている。

「………」

何も音を立てないように、息さえ抑える。
慎重にだが、素早く青年が寝ているであろうベッドへ向かう。
コートの下に潜ましたナイフを鞘から抜く。

シャィン…

ナイフを青年の首筋に当てる。
冷たい刃が、窓から差し込む月の光に反射する。

「…死ね」

そう言い放ち、ナイフで掻き切る。
−−そうしたはずだった。

「……っ!?」


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