一眠りしたイチは辺りが暗くなっているのを確認すると、仕事着に着替え始めた。
いつも着て行くレザースーツを昨日汚してしまったので、変わりに黒いコートを着て行く。
闇に溶け込む黒に身を包むと愛用のナイフを、コートの下に潜ませる。
愛用、とは言っているが特に思い入れなどない。実用性がある、というのと折れないので手元にずっと残っている物なだけだ。
「…行くか」
そういって部屋を飛び出し、バイクにまたがる。黒いヘルメットの下には何の感情もない美しい顔が映しだされる。
ブロロロロ…
そしてバイクは動き出した。
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