「イチ…イチっ…!!」
とめどなくほおを伝う涙。
『お前を、信じよう。』
その言葉がどんなに嬉しかったか。
殺されるところだったことも忘れていた。
ただ思うのは。
イチの笑った顔が見たい。
根は素直で真面目な性格だ。ゆっくりでも闇から抜け出せるだろう。
だから自分はその時引っ張り上げるんだ。
イチの辛い過去を聞いてその思いは深まった。
安心したように泣きじゃくるイチの姿に、なんだか微笑ましく思えた。
そして。
愛しいとすら思えた。
ああ。
これが人を愛するって気持ち。
しかし無情にも彼女の体は動かない。
「…ィチ…イチィ!!」
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