イチの心はすさんでいた。
しかし本人は荒れていることにすら気づかず、感情を殺していた。
しっかりと核を持っている。
ように見えた。
よくみてみれば今すぐ崩れそうな脆い心だった。いや、すでに崩れていた。
それを見て思った。
救いたい。
彼女自身こんな自分にはなりたいはずがない。しかし、させてしまったのだ。この世界が。
ここに助けを必要とする人間がいるのに。
何故誰も手を伸ばさない。
イチ以外にもそんな人間はこの世にごまんといる。
救える心だっているはずだ。
完全に清浄することは出来なくても、少しなら闇から抜けられるやつもきっといる。
そんな人間が目の前にいるのに。
なんで見て見ぬ振りをする?
同じ人間だろう?
元はといえば、自分達の勝手から生まれた被害なのに。
同じ世界に住む者なのに。
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