「−−?」
何か変な感覚がした。
その方向に顔を向けてみれば、窓。
窓の外には空を暗い雲が覆っている。
「イチ…」
青年−−アルトは呟いた。
あの娘はどうしただろうか。
「とても…嫌な感じ、だ…」
こういう時の自分の勘は良く当たる。
それを知っている青年はすぐに立ち上がる。
もちろんイチの元へ行く為に。
「あ」
しかし、居場所が分からない。
「あ゛ー…」
立ち往生だ。
部屋のなかをウロウロしてみるが、カーナビでも追跡機でもGPSにも自分はなれない。
そうしているうちにも嫌な予感は膨らんでいく。
ごつっ
「いてっ」
何かに蹴つまずき、指を打った。イテ、イテテ。と足を抑えながらその何かを見る。
「あ!」
そこにはイチの忘れていった小さなポーチ。最初に暴れた時落ちたものだった。
「!!」
ポーチから何かはみ出している。それを取り出すと、すぐさま屋敷から飛び出した。
――どうやら自分はツイてるらしい。
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