落ちてゆく
イチの体がバルコニーから外へ投げられ下へと落ちてゆく。
堕ちてゆく
ああここは確か六階だったな。
このまま私は死ぬんだな。
すまない、アルト。
お前を護れなくて。
本当にすまない。
どうか無事でいてくれ。
思えばこれは今までのツケなのかもしれない。生きるため、といってこの社会の法則を破り捨ててきたのだから。
ならこれは正当な報復だ。
人を殺し、憎み、体も売った。
生きるため、それが全て。
「ふ…」
そんなこと考えていたら、笑えてきた。
そんなことの為に私は生きていたのか。
くだらない。
せめてもう少し早く、殺し目的ではなく
−−アルトに会えたなら。
あぁ…もう一度だけ…あと一瞬だけでもあの大きく暖かい背中を抱きしめたかった。
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