11人目。
いつものイチにならたやすいこと。しかし今回は訳が違う。弱いとは言え、普段とは確実にレベルが違う相手だったからだ。
「……っはぁ…!」
息も上がっている。
だが容赦なく襲い掛かって来る。
「!!」
構えた瞬間蹴りを入れられた。
しかも体格のいいやつが腹に本気の一発を。
もともと軽いイチは部屋からバルコニーへと吹き飛んだ。
「がっ……!」
打ち付けられた背中が痛い。
蹴りを入れられた腹も痛い。
立ち上がれない。
スーツ男が向かって来る。
立ち上がれない。
でも立ち上がる。
「う゛っ…!」
一瞬眩暈がしてバランスを崩した。
それを狙ってか、腕をむんずと捕まれた。
「ぐっ…あっ!」
もがくが力が入らない。
そのまま剛腕で体を空に浮かされる。
ふわり
そんな感覚がした。
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