恋率方程式





今は信用している。
あの笑顔をもう少し見ていたい。
そう思うと何故か胸が苦しくなる。
そのため判断も鈍る。

考えこんでいると、アルトが部屋へ入ってきた。

「ん?どうした?イチ?」
「……別に」

考えを読まれまいと顔を背けるイチ。
するとアルトがイチの横に座った。

「なぁ、イチ。」
「………何だ」
「お前は生きるために人を殺すと言ったよな」
「……そうだ」

昨日そう言った。
事実だし、そのためにアルトを襲ったのだであるから隠すことはないだろう。

「俺はそうとは思えない。」
「………」

考えをやめ、アルトの話に耳を傾ける。

「殺しは何も生まない。生んだとしても憎しみや怒りが芽生えるだけだ。」


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