恋率方程式





アルトはサンドイッチのなくなったトレーを持ってどこかへ消えた。大方片しに行ったのだろう。

その間にイチは考える。
今回の依頼は失敗してしまった。
相手は裏で姑息な手を使っている大物。
さてどうすべきか。

もう自分にはアルトを殺せない。
そう思っていた。
信用する、と言った限り約束は守らねばならない。イチは約束というのも初めてだった。

潰せばいい。
それが1番簡潔だ。

でもそのためにはここから、抜け出さなくてはならない。なんとなくここに留まっていたかった。

私に今までなかったことを、教えてくれた。もしここでアルトと出会っていなかったら、人を信用することすらなかっただろう。


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