そしてイチはナイフを鞘へと納める。
「お前の名は?」
「…イチ、だ…」
そうか、いい名だな。と笑顔で頷いた。
それも少し驚いた。
自分の名が褒められたことなんかないし、自分に向かっての本当の笑顔なんて向けられたことなんてなかった。
「…変な、やつだ…」
「あぁ。よく言われるさ。」
どこも変じゃないのにな。と不思議そうな顔をする。そしてイチをベッドへ促す。
「とにかく、今は夜中なんだから、寝ないとな。」
「………?」
アルトはソファーに寝転がる。とそれを見つめていたイチ。
視線に気づいたのか、小首を傾げる青年。
「どうした?眠らないのか?」
ポンポン、と横にあるベッドを叩く。それを見てイチは少しだけ驚いた。
自分のためベッドを貸す、というのだ。
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