「病院、行くか」


「絶対…嫌っ…」




唯が病院を嫌う理由は分かる。


俺だって同じ。


嫌でも、あの事故を思い出すから。


でも…




「熱高いしさ、唯」


「っ…やだぁ…ゴホッゴホッ」


「わかったから…泣くなよ」




咳き込む唯の身体を起こして、背中を撫でる。


苦しそうな咳が、俺を不安にさせる。


でも、嫌がる唯を無理やり連れていけないし…


もう少し、様子見るか…




「凌~…気持ち悪いっ…」


「ちょっ…唯!?」


「うぅ~っ…」