狭いビニールハウスの中しか知らない蝶は その世界の中で甘い蜜を求める。 外の世界がどれほど広く 輝いているかを知らない。 ビニールハウスの破れた穴から 飛び出してしまった蝶は もう戻ってくることはない。 人間から与えられた蜜を甘いと錯覚していた蝶は 初めて自分で蜜を見つけた。 蝶は そのとろけるような甘さを知ってしまう。 自分で見つけた蜜。 もうビニールハウスで過ごした日々など 思い出すこともなく 広く輝いた世界へ飛んでゆく…