その夜、夫はいつもより早く帰宅した。 夕食を終えると、お義母さんはすぐに寝た。 私は洗い物を済ませ、寝室で気持ちを整理した。 別々の部屋で過ごすことも多い私達夫婦にとって、いつもと特に変わりのない夜。 私の姿が数時間見えないからと言って、心配することもない。 昔はどうだっただろうか。 私が長くお風呂に入っていると、夫は声をかけに来てくれた。 「大丈夫か?」とお風呂の扉を開けた。 私がため息をつくと、「今、ため息ついた?」と聞いてくれた。 そんな頃もあったのだと、今、やっと思い出した。