慌てて涙を拭き取り、立ち上がろうとすると、お義母さんが私の肩に手を乗せた。




「泣きたいなら泣いていなさい。今、お茶入れるから。」




私はお義母さんの背中を見つめた。


その背中に頬をくっつけて、泣きたいと思った。



涙のわけも聞かず、熱いお茶と、お義母さんの大好物のクリームパンを私の前に差し出した。



やはり女同士。



何か分かり合えるところがあるのかも知れないと感じた。




私達夫婦がうまくいっていないことは、とっくに気付かれていた。



それを喜んでいると思っていた私は、被害妄想だったのか。




「真千子さん、美味しいでしょ。」



お義母さんの笑顔が優し過ぎて、私はまた涙がこぼれた。