「・・・ねぇ、杏子さん?」 一樹くんの声で、我に返った。 「あ、ゴメン。ちょっと考えごとしてた」 「スゴイね。このうるささで」 そう言って、一樹くんは笑ってた。 「あ、ゴメン」 「いいよ。おかわりもらってこようか?」 「ありがと。気が利くねー、一樹くん」 「どーも。同じのでいい?」 「うん、お願い」 「ちょっと待ってて」 そう言って、一樹くんはバーカウンターの方へ歩いていった。