主役の到着した会場は、より一層盛り上がってる。
純平くんはシルバーがかったスーツ、ちいちゃんはふわふわチュールの淡いピンクのドレスで、会場の真ん中の席に座っている。
アラサーであのドレスが着れるのって、多分ちいちゃんぐらいだな。
私には無理だもん。
二人の周りには人だかりが出来てて、その姿は会場の隅にいる私からは見えなかった。
「本当、千秋ちゃんって人気者なんだね」
って、一樹くんは赤ワインのグラスを傾けながら言った。
「うん、そーだね」
「この会場ってさ、女も多いけど、男も多いよな」
確かに。
会場内は、ものすごい数の男女でごった返してる。
「男性陣って、ほとんどアメフト仲間じゃないの?」
「アメフトの連中も来てるけど、俺の知らない男の人、結構多いよ」
「そーなんだ」
と言うことは、ちいちゃん関係の男も多数いるってことか。
きっと、元彼だのなんだの、大勢混じっているに違いない。


