ねぇ、純平?

なんでそんな嘘つくの?

なんで急いで離れたの?

なんで…

あたしを見てくれないの?

「帰る。 日柚、さっきの嘘だから… 本気にすんなよ」

「またあたしをからかうんだね… 出てって! 純平も、日和ちゃんも…」

2人を追い出して、勢いよくドアを閉める。

今でも心臓が跳ねて止まらない。

純平が触れた髪も、あの時の純平の指先のように熱を持ってる。