私は、ゆっくりと声をかけられた方を見た。 そこには、肩で息をした雅樹がいた。 走って私を追い掛けてきてくれたんだ… そんなことだけで、嬉しくなりそうな私。 雅樹は、息を整えると 「ごめん」 と、私の目を見ながら言った。 私は、ドキッとした。 ねえ、雅樹… それは何の『ごめん』なの?