「…っ!」 両腕をあたしの頭上に固定し、満足そうな笑みを浮かべる先輩。 足の先から頭のてっぺんまで、一気に恐怖に襲われる。 ―――助けて。 思い出すのはあの日。 先輩の部屋での出来事。 あの時は未遂のような状況で終わったから良かったものの、今日の先輩はなんだかこの前とは少し違う気がする。 本気を感じる。 (怖い…) (助けて…)