膿みをつぶせ。

何も知らないふりをしろ。



仮面をかぶれ。



穏やかに微笑む、長姉の優しさをまとえ。



鳥のささやきにまぎれて、あくどいウワサが聞こえても、

聾者のようにふるまうこと。




それが、わたしの決められた・・・・・・いや、決めたこと。

『家族』を『日常』を守るために。




わたしは、いやらしい、熱のこもった布団から立ち上がり、窓を開けた。