「はぁ…はぁ…す…すみま…せん」 息が上がって思うように話せない。 彼は取った獲物をじっと見つめた。 「何に使うの?」 「へ?」 思わぬ問いに間抜けな声を出してしまった。 彼はクスリと笑って「じゃぁ…」と獲物を渡して通りすぎていった。 「いい人で…良かった」 ほっとしてまた坂道を登った。 荷物をまとめて坂の上を見たが彼はもう見えなかった。