「沙月!帰ろ!」 「うん!」 いつものように歩く帰り道。 沙月と薫は他愛ない話をした。 「あのね、薫」 「どうしたの、沙月」 けげんそうに顔をしかめる薫をよそに、沙月は表情を緩めて口を開いた。 「やっぱね、好きな人取り消しね」 「えええー!」 薫は近所迷惑と言うほど大声を出した。