あ…。

辰馬だ!

一人で教室に戻ってきたらしい。

渡すなら今だ!

「薫っ!ちょっと待って!」

「え?うん」

急いで自分の席に戻って緑の封筒を出した。

「辰馬!」

「ん?」

「これ!」

ハイッと緑の封筒を辰馬に差し出した。

「これ…」

「ペンだよ。昨日渡すって約束したから…」

焦ってなんか変な言い訳をしている。

ああもー!

「あっありがとう!」

辰馬は満面の笑みでわたしにお礼を言った。