これは親友の川端にも思わぬ事態だったらしく、目を丸くしている。 チラッとオレを気遣わしげに見る亜生もちょっと動揺気味。 いや、一番動揺してんの、オレだけど・・・。 三人して固唾を呑んで夢雨を見詰める。 視線を一手に担って夢雨は真っ赤になって俯いて――― ぐいっ と弁当をオレに突き出した。 「ぃちご・ぉれのぉれぃに・・・・っ!」 ・・・・・え? オレ・・・? イチゴオレのお礼にオレに・・・って! 早口言葉やってる場合じゃねー。 にわかに上ずった鼓動を抱えて、夢雨を見詰める。