「…………紗李那のことか?ばっちり。 だから俺に任せろっつっただろ、じゃあ、今すぐな。」 目を覚ますと、大きな倉庫の真ん中で手と足をロープで結ばれ、柱に体を巻き付けられていた。 少し頭を動かすと、ガンガン痛い。 後ろの柱を見ると私の頭があった付近が赤く血で染まっている。 再び前を見ると男が窓の外を見ながら誰かと電話。 男は振り返り、私の方へ近づいてきた。 逆光で男の顔がよくわからない。 でもだんだん近づいてきてやっと彼の顔がはっきり分かった。