そりゃあ、こんな山の中で圏外じゃなかったら可笑しいよね。 私はゆっくり携帯を閉じた。 私、残念すぎる、ついてないよ。 ――ポタッ…ポタポタっ 「…最悪だ。」 いきなり、雨が降り始めた。 とことんついてない私。 きっとみんな、雨が降り出したから肝試し解散して旅館に戻ったんだろうな。 …つまり、誰も助けには来ない…。 とりあえず、ここにいても仕方ない、誰かが迎えにきてくれるわけじゃないし。 私は東西南北どこかもわからなかったけど適当に歩き始めた。