ギィ

扉が開いたような音がした。

泣き続けて、ひどい顔をあげた。
そこには…今、一番いてほしくない人がいた。

「由美…。」

思わず、顔をそらした。
なんで、こんなに弱ってる時にくるの?

パタ、パタ、パタ

徐々に私に、近づいてくる足音がした。
今、優しくされたら、もう駄目。

「…こ、ないで。」

「…なんで?」

「今、優磨くんの顔見たくないの!!!」

かな切り声のように叫んだ。
と同時に肩を引き寄せられて、
気付いた時には、温かい腕の中にいた。

「っ!やめてよっ!!」

思いっきり、胸を押し返すけど、びくともしなくて。
さっきよりも、強く抱き締められて、腕さえ
動かせない。

「…」

「離してっ!なんで…なんでこんなことするの!?」

「…」

「答えてよっ!!」

「…友達だから。」

その言葉を聞いて、少しでも期待していた自分を
恨みたくなった。
それと、優磨くんに嫌悪感さえ抱いた。