体育祭を明日に控えた、6月下旬。


憂は最終確認の為に職員室に蓮と2人で来ていた。



「点数ボードはすぐ出せるように体育館の近くに置いとけよ」



「えー? あれを2人で動かせってことですか?」


「大丈夫、あれ軽いし。 大半は俺が持つから」



蓮は憂に優しく微笑んだ。


「うん‥。 ありがとう」


蓮は委員会の間、いつも憂に負担がかからないようにしてくれていた。



資料を運ぶ時も。

網やバトンを倉庫から出す時も。



同じ委員会なんだから普通と言えば、普通だ。


だけど、憂はそのたびに少しの事でドキドキしていた。


手が触れるだけで、顔が近いだけで。