そんな私を…―― どうしようもなく我が儘で 嫉妬に溢れた黒い私を… 先輩は 見てくれますか―― * 咲は昔から優しかった。 幼稚園の年少だった頃、園庭で駆け回っていた私が転んだ。 そのとき初めて『転ぶ』というものを経験したから、痛みよりもショックが大きかった。 しゃくりあげながら泣く私を見た咲は、ただ事ではないと思ったのか、すぐに先生を呼んでくれた。 ――あかねちゃん、すぐせんせいよんでくるからね その優しさと行動力は、いつも私を助けてくれた。